無肥料無投薬 転換2・3年目は我慢の年?


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2018年の秋から今の畑で野菜づくりを始めて2年半と少しが過ぎ、現在3年めで、肥料や堆肥、農薬や除草剤を使わない野菜栽培を続けています。

そして今は夏野菜の生育期間のはずですが、ナスやピーマン、キュウリなど、露地に植え付けた苗の大半の生育がストップしているようで、葉色も薄く明らかに養分不足のように見えます

畑の土でなにが起こっているんでしょうか。

いくら推測に推測を重ねても、出した結論が正しいかどうかは検証のしようがありません。多様な微生物との関係性で作物の生育を捉えたとき、土のなかで起こっていることを完全に把握することはあまりにも複雑怪奇で不可能ともいえます。

強いていえば、畑を借りる以前長期にわたって施肥栽培(化学肥料や農薬使用)が続けられていたところに、急に無肥料無投薬に転換したため、2,3年目に至って揺り戻し?が起こっているのかもしれません

実際に、施肥栽培から無施肥栽培に転換した場合に、2,3年目に病害虫が多発したり生育ムラや生育不良が起こったりしたと話している農家さんが結構いらっしゃるようで、何度か同様の話を見聞きしました。

土壌微生物学の専門家で農学者の比嘉照夫氏(EM菌開発者として有名)は著書『微生物の農業利用と環境保全』のなかで次のように記述しています。


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経験的にみれば、これまでの畑地で自然農法や有機農業を始めると、その大半のものが急激な減収をきたし失敗とみなされる場合が普通である。それでも根気強く続けていると、三~四年めに生産が回復し始め、五~六年目で安定したという例が多い。

『微生物の農業利用と環境保全』比嘉照夫著 農文協 62頁

また、『農家が教える自然農法』という同じく農文協の書籍では、うちの農園と同じく炭素循環農法を基本とされている農家さんの話として、以下のような記述がありました。

無肥料への転換後、二~三年目あたりに、まずは生育ムラという現象が起きました。今まで肥料で育ってきたものが、無肥料(地力)で育つわけですから、肥料を抜くと、その土地の力がもろにわかります。この生育ムラは、今までタバコを吸っていた方がやめて、健康な身体に向かう際に現れる禁断症状と同じようなものかと思います。好転反応とみるべきでしょうか。

『農家が教える自然農法』農文協 28頁

炭素循環農法の提唱者である林幸美氏も、長年肥料などに頼ってきた畑を急に転換する場合、まずはそのツケを払う必要があるという趣旨の話をされています。無肥料栽培家の岡本よりたか氏は、無肥料で野菜を栽培する場合、まず圃場に蓄積している「肥毒」を抜く必要があるという話をされています。

とはいうものの、単に避けがたい事実であった、というだけではないような気もしています。長年の化学肥料等使用のツケは払わなければいけないとしても、微生物へのエサの供給が適切であったかと言えば、適切とは言えなかった可能性があります。

場合によっては秋に1回だけ落ち葉を入れるということもありました。夏になってもまだ落ち葉が土中浅い層に残っており、再投入は必要がないと考えたということもあります。また、微生物のバイオマス量が十分でない状態で有機物のみ大量に土に混ぜ込むと微生物が消化不良を起こす可能性にも配慮した結果でした。

その判断が正しかったのか間違っていたのかはわかりませんが、エサ不足の可能性自体は否めないと思います。

さらに、露地の畝表面に生える雑草の植生も特徴があります。

冬の間にトラクタで高畝を立て直し、畝の表面に落ち葉を(畝表面が見えなくなるくらいの量)散布して浅く土と和え、それ以降はマルチを張ることもなく放置しておいた夏野菜用の畝ですが、これらの畝では春先にイネ科はあまり生えず、代わりにヒメツルソバに似た雑草が生えてきて、畝表面をグランドカバーのように覆いました。ツル性で匍匐性があり、立ち上がりはしますがそれほど邪魔にはならない高さです。

乾燥すると土が固くなり、pHを測ってみれば5.0から5.5と酸性寄り。ただ、計測数値がすべてを表すわけではないので参考程度にしています。

一方、秋冬野菜を栽培して収穫後にそのまま雑草が生えるに任せた畝では、生える雑草に多様性がありました。土を撹乱した直後に生えてくる雑草は、イネ科にせよ、上のヒメツルソバ様雑草にせよ、単一化しやすいのかもしれません。土が育ってくればそうでもないかもしれませんが・・・。

謎は深まるばかりですが、あまり頭で考えすぎるのも良くないですね。頭を耕しつつ、「たんじゅん」に、微生物にしっかりエサを与えて「生かす」ことを忘れないように気をつけていこうと思います


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