無施肥転換時の好転反応と対応

2021年6月30日

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前回の記事では、無肥料転換3年めの圃場で好転反応(長期にわたる施肥栽培からの急な無施肥栽培への転換による揺り戻し作用?)について思うところを書いてみました。

無施肥無投薬 転換2・3年目は我慢の年?
2018年の秋から今の畑で野菜づくりを始めて2年半と少しが過ぎ、現在3年めで、肥料や堆肥、農薬や除草剤を使わない野菜栽培を続けています。 そして今は夏野菜の生育…
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借りるまでずっと水田だったこともあり、耕盤の存在は否定できず、排水に難があることから転換には自ずと時間がかかると思われます。

特に春さきには畝の土が硬化し、定植した夏野菜の苗がほとんど生育しないという事態に見舞われましたが、これもやはり好転反応によるものかもしれません。春という季節は毒出しの季節といわれており、土壌も有機的存在(いきもの)なので、春さきに主に活動が活発になるバクテリアの働きで有機物の分解が急速に進み、硝酸化成菌の働きで硝酸態窒素が増え、土のC/N比が相対的に下がることで腐敗に傾きやすくなり、硫化水素や各種炭化水素が発生しやすくなる一方、作物の根にとっての養分吸収阻害物質(酵素)が分泌されることで作物の生育が阻害されたと考えています。

とはいえ、施肥栽培のように肥効成分(無機態窒素等)を土に入れるわけではないので、夏に向かうにつれてバクテリアの活動も収束し、少しずつ土の団粒化が復活してくるかもしれません。現に、6月も終わりに近づき、夏野菜の畝の土も少し硬化が解け、指などが貫入しやすくなってきており、手にとっても崩れやすくなってきました。また、糸状菌を生かすためにも高炭素有機物を施すことは必須と考えています。

耕盤という硬い心土のことを思えば、サブソイラーやプラソイラーで一度だけ土木工事をしたほうがよいと思ったこともあるのですが、費用もかかりますし、緑肥や作物の根っこ、微生物(とくに菌類)の菌糸によって確実に耕していってもらったほうがよいのでは、と今では考えています。焦りは禁物ということでしょうか。

たとえば、夏野菜を栽培(連作)する畝では冬季にエンバク等麦類の緑肥を、秋冬野菜を栽培(連作)する畝ではソルゴーやトウモロコシといった炭素固定力の強いC4イネ科作物・緑肥作物ができないか検討中です。それができれば、細かく裁断して土に混ぜ込めばそのまま微生物のエサにもなります。

また、転換初期のうちは畝を高くたてて、大量降雨時でも畝のベッドが加湿にならないよう気を配る必要があります。畝間にも適度に雑草を生やしておき、その根っこによって心土を少しずつ崩していくこともやっていくつもりです。

耕盤があり、そこに肥効成分(肥毒)が残っている以上は、根の深いトウモロコシを作物として栽培しても、肥毒層の腐敗成分を吸い上げてしまい虫のエサとなってしまう確率大なので(転換1・2年目に実証済み)、転換初期のうち(4年めくらいまで?)は緑肥作物をやるほうが理にかなっているかもしれません。

畑の土の状態については、また改めて書きたいと思います。