小さな農業とDX(デジタルトランスフォーメーション)

小さな農業とDX(デジタルトランスフォーメーション)


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※すこしマニアックな内容ですが、備忘録がてら。。

三田では桜も散りつつあり、日によっては夏日のような暑い日になることも増えてきました。花粉症の自分にとっては手放しにこの季節は喜べませんが、とにかくヒノキ花粉のピークが早く過ぎ去ってほしいと願うばかりです(鼻が辛い・・・)。

畑のほうも、夏野菜に向けて多品目の各種野菜の播種や鉢上げ、畝の準備など、だんだん忙しくなってきました。

今年に限ったことではないのですが、日々農作業をしていて感じていることとして、業務の複雑さ(多品目栽培のため)による管理の限界、というか頭のメモリの限界があります。

いわゆるITツールはいろいろと活用しています。たとえばタイムロガーとして「toggl」で時間管理をしたり、備忘メモとして「GoogleKeep」を使っていたり、「Googleカレンダー」や「Microsoft To Do」でスケジュール・タスクのリマインドをしたり、販売データや顧客データを管理しているExcelファイルはOnedriveと同期させてスマホ等で出先でも確認できるようにしたり、たぶん世の中には数え切れないくらいのビジネスツールが存在するんだと思います。

確かに一つひとつのツールはとても使いやすく、簡単に検索したりリマインドしてくれたりというデジタル特有のメリットは手放せるものじゃないですし、いまさらアナログの管理には戻れません。

とはいうものの、普段から使っているこれらのツールも、開発元やベンダーがまちまちであって、横の繋がりや連携を実現した横断的で統合的な利用というのはまだまだ難しいと感じています。

「IFTTT」を使って違うベンダーのサービスを連携させるのも有用ですが、無料で使う場合はいろいろと制限もあるようで、かゆいところに手が届くような使い方は難しい印象です。サービスに相当なメリットを感じない限りサブスクは利用しない主義なため(笑)、有償で使うこともなさそうです。。

企業の市場独占が許されない現代の資本主義下では、やはり「互換性」をめぐる問題は尽きることはないのかもしれません。表計算ソフトにしても、MicrosoftにGoogle、Appleなど、GAFAMの一角を占める巨大IT企業がそれぞれ製品を提供しているものの、昔ほどではないものの、互換性の問題は現在でも解決していません。ExcelとGoogleスプレッドシートを完全自動同期させるのも簡単ではなさそうです。

Excel含めOffice製品は、Microsoftのアカウントを持っていれば無料でブラウザ上(online)で使えますが、なにせクラウド上ではVBAを動かすことができません。PythonやVBScriptを使って、ローカルのExcelデータを自動で編集してクラウド同期という方法もあるかもしれませんが、毎日決まった時間に自動でプログラムを走らせるだけでなく、一定のトリガーでプログラムを走らせる場合、PCがシャットダウンしていては意味がないので、24時間PCを稼働させておく必要がでてきて、あまりエコではありません。そういう意味では、やはりクラウド上でプログラムが動く仕組みにしたほうが良さそうです。

そこで、いま気になっているいるのが、Googleの提供している「Google Apps Script (GAS)」です。

JavaScriptベースのスクリプト言語で、Googleが提供するさまざまなサービスの連携に最適化されており、WEBスクレイピング(WEBサイトから情報を抜き出して記録・加工する)も可能で、例えば気象情報などを自動で抜き出してクラウド上のGoogleスプレッドシートに記録していくこともできます。特定の条件でGmail宛にメール送信したり、スケジュール管理でよく使われているGoogleカレンダーとの連携で、様々な条件で自動的にスケジュールを追加したりもできるようです。Googleドライブ内のデータもいじれますし、API(Application Programming Interface)が公開されている各種サービス(Twitter, Facebook, Slack, Chatwork etc…)とも連携可能とのことです。

まだGASは使ったことがないですが、なにせGoogleアカウントを持っていれば無料で使えます。家族経営の個人事業主くらいであればGoogle Workspaceで課金するほどでもないかもしれません。規模が小さいゆえに、いろいろなITソリューションが無料で使えるのは、小規模零細事業の大きなメリットですね


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まずは、GASのおおもとになっているJavaScriptから勉強しているところですが、JavaScriptは本来フロントエンド(クライアントサイド)のブラウザ上で動作するスクリプト言語で、将来的にはバックエンドでも、node.js等によって、JavaScriptとその発展形であるTypeScriptでWEBの両面開発が一般的になるかも、と期待しています。

TypeScriptは、Microsoftが開発したJavaScript互換の拡張言語(altJS:代替JavaScript言語)で、2017年にはGoogleが標準開発言語として採用した言語ということもあって、もしかしたら将来的に大化けするプログラミング言語かもしれません。ちなみにTypeScriptはクラスベースのオブジェクト志向言語で、静的型付けによって変数の型を予め宣言することによってJSで起こりがちだった致命的なエラーを回避しやすく、大規模開発にも向いているそうです。

話をGoogleに戻すと、Googleが無償で提供しているmBaaS(mobile Backend as a Service)である「Firebase」でWEBのバックエンド開発をする場合でもJavaScriptがプログラミング言語のひとつとして使えるようです。

さらに、個人的に関心がある分野として「PWA(Progressive Web Apps)」があります

普段スマホやタブレットでアプリを使う場合、iOSであればApps Store、AndroidであればGoogle Playからネイティブアプリを購入などして端末にインストールして使いますが、PWAではブラウザで表示するようなWEBページをネイティブアプリのように使う仕組みで、ホーム画面にアイコンを置くことができ、オフラインでも実行でき、Android端末ではプッシュ通知も可能です。(知る限りiOSでは現状プッシュ通知はできなかったはず・・・)

PWAはGoogleが提唱・推奨していることもあり、Androidシェア率の高い海外ではPWAに対応したサービスもどんどん増えているとのことで、Twitterも、「Twitter Lite」としてPWA化されています。

日本でも、有名どころだとRettyやSUUMO、日経などが対応しているようですし、私が普段お世話になっている「食べチョク(農産物の産直EC)」の生産者用アプリも、ネイティブアプリではなくPWAとして提供されています。

以下は、食べチョク生産者アプリの表示例です。ブラウザ特有のUI(URLバーなど)は表示されませんので、一般的なネイティブアプリと見た目上の違いはありません。

食べチョク生産者アプリより

そして、またまたJavaScriptの話になりますが、このPWAはWEBアプリのようなものなので、HTML+CSS+JavaScriptで構築されます。実際には「ServiceWorker」という、WEBのバックグラウンドで稼働するJavaScript環境で動作します。

JavaScriptが扱えることで、Google Apps Scriptもスムーズに理解できて、Googleの提供する各種サービスをより効率的・有効的に使えるようになり、JSの発展形として将来有望なTypeScriptの世界へも入ることで一気に可能性が開けるという大きなメリットを感じています。

「小さな農業」はじめ小規模事業にもDX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方は有用です。決して大きな法人だけに有効な潮流ではありません。

分業化の進んだ規模の大きな組織であればあるほど、たとえばRPA(Robotic Process Automation)などのツールによって、これまで時間をかけて人の手で処理されてきた膨大な入力作業を自動化させることができ、大きく人件費を削減することができるといわれています。

多能工的な小規模零細事業の場合、上記のようなスケールメリットが得られにくいかもしれませんが、小規模なら小規模ゆえのITという文明の利器の「使いどころ」があるような気がしています

自分自身も、まだこれからそれを探究していこうという段階ですが、ひとりの人間が多岐にわたる業務(マーケティング・営業販売・商品開発・総務庶務・経理・人事・情報システム管理etc…)を同時並行的に進めていかざるをえない個人事業であるからこそ、複雑になりがちな全業務の見える化やシンプル化、煩雑ゆえに発生しがちなヒューマンエラーを防ぐための仕組みをデジタルのちからで一つひとつ小さく実現していく、一種のマージナル・ゲインの取り組みがこれから必要になってくるのではないでしょうか

プログラミングというと特殊な一部の人が行うような芸当に思えますが、昨今Scratchを使ったプログラミング教育なども始まり、コーディング不要なノーコード開発がますます普及していく素地が出来上がりつつあります。

Microsoftが無償提供をはじめたRPAである「Power Automate Desktop (PAD)」も、使ってみると、ノーコードでプログラミングをする体験ができます。

これからは、プログラミングそのものがビジネス教養のひとつになる可能性が高いのではないでしょうか。


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伊藤祐介|Yusuke ITO

伊藤祐介|Yusuke ITO

自然とアートが好きな自然栽培農家(シンフォニアファーム)。多趣味で飽き性。