「無施肥無投薬」という伝え方


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今回は、うちの農園(シンフォニアファーム)が、「無施肥無投薬」というコトバで栽培方法を表していることについてつらつらと書いてみたいと思います。

僕が自分自身の畑の、いわゆる肥料や堆肥、農薬除草剤を使わない栽培法について、「自然栽培」ほか「無施肥無投薬」で統一しはじめたのが2年ほどまえだったと記憶しています。

就農当初からもこれらの用語を使っていたのですが、ときに「無肥料」と言ったり、あまり統一的ではありませんでした。

「無肥料」という言葉はより一般的で、消費者の方にとっても理解しやすい言葉だと思いますが、字句通り読むと、「肥料が無い」となり、土壌中に残留する肥料成分がないという誤解を与えがちなのも事実。ただ、国のガイドラインで禁止されている「無農薬」表記(法的拘束力なし)と違い、「無肥料」表記は同ガイドライン違反にはならないということは、以前、直接農水省の担当者に直接電話で確認しています。

「無施肥無投薬」というときの「施肥」ないし「投薬」という言葉は、動作を表す言葉です。もしここを、「肥料」や「農薬」といった名詞にしてしまうと、土壌中に一切残留がないという誤認を与えかねません。

そこで、かわりに動作を意味する「施肥」や「投薬」という言葉を使うのは理にかなっていると考えています

また、「肥料不使用」や「農薬不使用」といった表現も使いますが、これらも動作を意味する表現です。国も同ガイドラインで、「農薬:栽培期間中不使用」といった動作的な表現を推奨していますが、これも、肥料や農薬を散布していないならば、そのように「不使用」と表現するのは、ちゃんと事実に基づくからでしょう


とはいっても、「無施肥無投薬」という言葉はあまり消費者に馴染みのない言葉でもあるので、販売場面(ネットの商品ページなど)では第一選択ではなく、まず「自然栽培」という言葉を使っています。

この言葉は定義も曖昧であり、なかなかグレーなところがありますが、現状複数ある産直系ECサイトでは禁止自体はされていません。いわゆる堆肥やぼかし肥、天然農薬なども一切使用しないということを伝えるには手っ取り早い表現でもあります。

「無農薬」という表現については、ネットの商品ページでは、【検索用】として商品説明本文とは区分した最後の区画にのみ使うようにしています。「無農薬」のキーワードで検索をするお客さんが多いのも事実。同表記は【検索用】に限定して、ホームページでは以下のように注意書きをしています。

シンフォニアファームでは、(有機JAS認証で使用が認められている農薬も含めて)一切の農薬や除草剤を使用しておりません。

ご注意頂きたいこととして、圃場内で農薬・除草剤などを一切使用していないとはいえ、周囲の圃場で農薬散布があった場合、風に運ばれて農薬成分がシンフォニアファームの圃場内に入る可能性は否めず、その他のルート(例えば靴に付着した農薬成分など)からの侵入も否定できません。

そのため、極微量の農薬成分でもアレルギー反応が出てしまう方などに関しましては、万が一を考慮して当農園の農産物をおすすめすることはできませんので、あしからず、ご承知置き頂けますと幸いです。

https://sinfonia-farm.com/about_sfn/